こんにちわ
FlexGear(フレックスギア) 阿部 茂です。
このページでは、私が防犯カメラの設置工事をしてきた経験を元に
防犯カメラに関する基本的な事や、気にかけておきたいポイント
もしあなたが、防犯カメラを設置したいと思った時に迷わない防犯カメラの選び方を
何回かに分けてお伝えしようと思います。
第一段は、『アナログカメラとデジタルカメラの違い』について
【基本1】防犯カメラにはアナログとデジタルがある
防犯カメラには同軸ケーブルを利用したアナログカメラと
LANケーブルを利用したデジタルカメラがあります。
LANネットワークを利用したデジタルカメラは
一般的には、ネットワークカメラやIPカメラと呼ばれています。
※本記事では以下 IPカメラ と呼びます
アナログカメラとは?
アナログカメラの構成はとってもシンプルです。
下記図のように、モニターと録画機とアナログカメラの3つの機器で構成されています。
このように回路が閉じた構成から、閉鎖回路テレビ=CCTV(Closed Circuit Television)とも呼ばれています。
録画機とカメラ間は同軸ケーブルで配線されます。
同軸ケーブルにも種類があり、用途やカメラ間の距離によって3cケーブルと5cケーブルの
どちらかを使用します。
同軸ケーブル | 伝送距離 | 対応画素 | コスト | 線の太さ |
---|---|---|---|---|
3Cケーブル | 30m~50m | 低い | 低い | 細い |
5Cケーブル | 100m | 高い | 高い | 太い |
ケーブル自体の価格差はほとんどありませんが、3Cと5Cの直径差が2mm程ある為、
(外径は3cで約5mm 5cで約7mm)
配線ルートである配管の太さや、貫通が必要な場合は開口サイズが変わってきます。
もし4箇所撮影したいなら、その4本の同軸ケーブルが録画機に集まってきます。
既存の開口を使って線を通す場合、サイズが太くて通らないといった事も発生します。
その場合、新たに開口が必要になったり、開口部を拡げる工事が必要になります。
Point伝送距離は後で紹介するドライブユニットや中継器を入れる事で延長可能です。
カメラ機器やレコーダーと違って、ただ単にコストが高いから良いわけではありませんので、
用途にあった選定が必要になります。
IP(デジタル)カメラとは
IPカメラは文字通りIPアドレスを利用したカメラです。
カメラ自体にIPアドレスを持たせる事で、様々な設定をネットワーク経由で行ったり
外出先からパソコンやスマートフォンで映像を確認する事が可能です。
構成はどのようなシステムを組むかによって変わってきますが、
基本的な機材として、モニター・録画機・IPカメラ・HUBが必要になります。
また、IPを利用しますのでインターネットに接続可能な回線元が必要になります。
録画機とIPカメラはLANケーブルで接続されます。
ルーターで割り振られたIPアドレスを各IPカメラに割り当てる事で、ネットワーク内の
パソコンやスマートフォンで映像確認が可能になります。
無線ルータがネットワーク内にある場合は、WiFiによる無線接続も可能です。
WiFiでカメラ接続
経験上、無線によるカメラ接続はあまりオススメしません。
もちろん無線を利用すると、LANケーブルを配線する手間が減るというメリットがあります。
しかし、カメラ側で必ず電源が必要になりますので、カメラ側で電源確保が可能かどうか?を
考えておく必要があります。
もし、確保出来ない場合は結局電源線を配線しなければなりません。
他にも、WiFiの電波は基本的にコンクリートや鉄の壁を超える事が出来ませんので、
ごく狭い範囲の利用に限られる可能性が高くなります。
防犯カメラという特性上、せっかく設置したのに映っていないという一番起きてはいけない事が
起きないよう、少しでも障害発生ポイントは減らしておく事が大切です。
【基本2】カメラ側も電源が必要です アナログとデジタルの給電方法
『え?カメラ側にも電源がいるの?』
防犯カメラの打合せでお客様からよく出てくるフレーズです。
カメラも機器ですので、当然電源が必要になります。
ですので、電源が無い場合は、カメラの近くまで電源を持っていく必要があります。
屋内でしたら、分電盤やコンセント回路から分岐する事も可能な為、
取得にこまる事は無いのですが、問題は屋外にカメラを設置したい場合。
屋外に電源が用意されている事はなかなかありませんので、
カメラの位置に電源を用意するには、それなりの電気工事が必要になってしまいます。
カメラの台数分、こんな工事は避けたいですよね?
そこで、防犯カメラにはケーブルに電源を乗せる方法があります。
アナログカメラの場合とIPカメラの場合でも、ケーブルに電源を乗せるという
部分では同じですが必要になる機器が違いますので、それぞれ説明致します。
アナログカメラの場合は、ドライブユニットで給電
アナログカメラに対して同軸ケーブル経由で電源を供給するには、
ドライブユニットが必要になります。
DVRとカメラの間にある機器がドライブユニットです。
1chタイプはカメラ1台用 4chタイプはカメラ4台用と
設置するカメラの台数によって、選ぶドライブユニットが異なります。
例として、ダイワインダストリ製のCCU-204を紹介
こちらの製品は、カメラ4台まで接続可能な4chドライブユニットになっており、
背面には、カメラ行き同軸ケーブルを接続するポートを4箇所
DVRやモニター行き同軸ケーブルを接続するポートを4箇所用意してあります。
各chに対して、400mAで電源出力が可能な機器です。
カメラ3台構成の場合は、ドライブユニットにカメラ側の同軸3本と
DVR側の同軸3本の計6本が接続される事になります。
モニター行きのポートとカメラ行きのポートを間違えて(テレコで)接続した場合、
電圧がDVRやモニターにかかる為、破損する可能性があります。
誤接続による破損は、メーカー保証外ですので、
もし通販等で購入された等で、自分で接続する場合は表示に従い慎重に接続して下さい。
IPカメラの場合は、POEハブで給電
POEとは、PowerOverEthernetの略で、カテゴリ5以上のLANケーブルで電流を供給する技術の事です。
2009年移行POE+という基準に移行されており、発熱によるLANケーブルの損傷や、
通電状態でLANを抜いた際に起こる放電を解消する為の仕組みが盛り込まれています。
アナログカメラのドライブユニット同様、給電ポートから電流を供給しカメラを活かします。
注意点も同様で、POE給電用ポートにカメラ以外の機器を接続すると
破損の可能性があります。
実際に工事して気付いた アナログカメラとIPカメラの人気度と7つのポイント
数年前であれば、まだアナログ全盛期でしたが、
ここ最近一気にIPカメラ市場が右肩上がりに伸びている事もあり(メーカーが力を入れている)、
設置工事をしている実感として、
IPカメラの方がで人気があるように感じます。
割合的には7:3位
最後に、これから防犯カメラを設置する時の観点として7つのポイントを記載しました。
ぜひ、参考にしてみて下さい。
観点1 画素数
IPカメラの画素数が高いのはこれまでの説明通りですが、ここ最近アナログカメラにも
AHD(Analog High Definition)やHD-SDIという規格のハイビジョン画質カメラが
登場しました。
これによりアナログは低画素というイメージが払拭され、高画素化が進んでいます。
※AHD・HD-SDIは1920x1080の200万画素に対応しています。
観点2 画質
高画質カメラなら映像を拡大しても被写体をクリアに表示可能です。
カメラ映像は同軸やLANを通って録画機に伝送されてきますが、IPカメラとアナログカメラでは
伝送方法が若干変わります。
IPカメラはデジタル信号をデジタル信号のまま録画機に流すのに比べ
アナログカメラはデジタル信号をアナログ信号にエンコードし伝送、
録画機側でデコードしてデジタル信号に戻して再生されます。
画質に関しては、余計な圧縮が発生しないIPカメラが優勢でしょう。
※アナログカメラでも、HD-SDI規格のカメラはデジタル非圧縮伝送の為、
IPカメラよりも高画質な商品も出始めています。
観点3 ネット経由の映像確認
IPカメラの売りであるインターネット経由の映像確認ですが、アナログの録画機もネット回線に
接続出来るタイプが出てきている事もあり、アナログとIPの差は無くなりつつあります。
観点4 設備工事費用に関して
アナログカメラとIPカメラでは配線の数が変わる可能性があります。
アナログカメラは基本録画機とカメラが1対1の為、カメラ台数分の配線が必要になります。
しかしIPカメラはネットワークが繋がっていれば、映像を確認出来るので
IPカメラの設置予定箇所付近に同ネットワークのHUBがあり、空きポートがあればそこから配線する事も可能です。
※電源は別途必要
観点5 カメラの最大接続台数
これは、IPカメラが圧倒的に有利です。
アナログカメラは最大でも16台程度ですが、IPカメラは60台以上接続出来ます。
観点6 追加要素
基本的な機能以外に欲しい機能が備わっているかどうか
例えば、大掛かりな工事をしたくない方向けの機種であるとか
カメラ自体にスピーカー機能がある等
観点7 コスト
やっぱりココは一番大切です。
欲しい機能とそれに見合うコストを慎重に検討しましょう。
他にも色々な観点があるかもしれませんが、
この辺りを抑えて防犯カメラ選びを行えば、的外れな選定には
ならないと思います。
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