こんにちわ FlexGearの阿部 茂です
普段からちょこちょこ担当させて頂いているLAN工事の案件があるのですが、
提出項目にFLUKEの測定結果が必要になります。
これまでは、現行機種の2世代前にあたるDTX-1800を使用していたのですが、
DTX-1800は2018年3月でサポート終了となります。
そこで駆け込みで校正に出せる最後のチャンスという事で
校正に出すことになりました。
その間の代替機として、うちにやってきたDSX-8000で初めて測定した時の
チョットしたトラブルの話です。
ちなみにDSX-8000は2017年販売開始したばかりの最新機種ですね
いつも通りの作業が終わりFLUKE測定してみると
ピーーーー!!
『あれ!? エラー!?』
表示を見てみると、不合格と表示されています。
タッチパネル操作に替わった事で若干押しにくくなった(手袋外さないといけないし・・)
DSX-8000に表示されたエラー情報を、確認していくと
LANケーブルの結線状況を表すワイヤーマップは問題が無さそうですが
FLUKEのメインモニターにコネクターを確認してくださいと表示されていました。
どうやら、コネクター部分で障害が発生しているようです。
どんな状況でテストしていたかといいますと
LANケーブルの片端はピンコネクタあげ もう片端は、ローゼットあげの構成で、
パーマネントリンクアダプタを使用して測定を行いました。
以下のような感じです。
FLUKE(リモート) — JJコネクタ — Panduit製 RJ45 — 日本製線製 LANケーブル — Panduit製 minicom JOQ4H500 — FLUKE(メイン)
パーマネントリンクとは
一般的にFLUKEを利用したLANケーブルの測定方法には、チャネルリンクとパーマネントリンクの2種類の測定方法があります。
チャネルリンクは測定器にチャネルリンクアダプタを装着します
アダプタの口はRJ45のメス口になっており、測定器間のケーブルをそのまま測定します。
もう一方のパーマネントリンクは
測定器にパーマネントリンクアダプターを取り付けて測定します。
このパーマネントリンクアダプターは、チャネルリンク用アダプタと違い
先端がRJ45オス口の測定ケーブル状になっており、そのままスイッチ等のポートに接続する事ができます。
パーマネントリンクで測定すると、パーマネントリンクアダプタのケーブル長を除いた
実長を測定してくれます。
エラーが出たので対処
配線途中で断線やつぶれもなさそうな為、Rj45とミニコム側のジャックを成端し直し
再測定するも、症状変わらず
不合格・・
DTX-1800よりDSX-8000の方が基準が厳しい?
こうなると疑わしいのは、スイッチ側のRJ45をパーマネントケーブルに接続する為に
使用しているJJコネクタに絞り込まれてきます。
これまでDTX-1800時代から利用していたJJコネクタであった事もあり、信用していたのに・・
年の為、JJコネクタ自体の不具合も考え、
DSX-8000に付属されていたJJコネクタを利用して再測定
結果はまたも不合格;;
JJコネクタを使うとNGになるの??
現場は元請け様からの指示もあり、チャネルリンクで測定し普通に合格
帰ってから 色々検証する事にしました。
障害ポイントはやはりJJコネクタ? テスト環境で検証
テスト環境を用意し3つのJJコネクタを使用して測定テストを行いました。
※事前に別の測定器で疎通確認済みです
使用ローゼット:JOQ2H500(ジャック単体)
使用RJ45コネクタ:MP588-C
使用JJコネクタ:
starteck製 CAT5COUPLER
FLUKEネットワークス製 CIQ-RJA
PANDUIT製 CC5E88BL
結線方法:TIA/EIA-568-B ストレート
starteck製 CAT5COUPLERの場合
まずは現場でも使用していた starteck製 CAT5COUPLERを使用して
FLUKE測定スタート
結果は・・・
やはり 不合格
JJコネクタ部分が障害ポイントで間違いなさそうです
障害情報を確認してみると
LANケーブル内に8本ある単線のうち、3番6番と4番5番のNEXTでクロストークが発生しているようです。
T568B ストレートの結線図
NEXT(近端漏話減衰量)とは単線の中を電流が流れる時、
隣接した単線上の信号に干渉(エイリアンクロストーク)が起こる事
これを防ぐ為に、LANケーブルのペアはねじねじと撚られています。
要は3番6番の緑白・緑ペアと 4番5番の青白・青ペアが干渉している状態
測定データをPCに取り込み、NEXTグラフを確認してみると
このようなグラフになりました。
規格値である赤い線より上にいれば合格なのですが、
36-45の茶色の線が規格値を下回っています
FLUKEネットワークス製 CIQ-RJAの場合
次に、FLUKE純正のJJコネクター CIQ-RJAを使用して検証
結果は、同じくコネクター部分のNEXT値エラー
先ほどと同様に36-45の値が規格値を下回りました
こちらは、12-36や45-78も規格値に切迫しています
PANDUIT製 CC5E88BLの場合
おおとりはPanduitのCC5E88BLです
このJJコネクターは性能が良いからいけるんじゃない~と元請けさんより
送って頂いた物です
結果は・・・
なんと!
合格!!
やりました
NEXTのグラフも以下の通りで、規格値を上回っています
どのペアも規格値とのマージンは20程度はとれていますね
という訳で、
今回検証した3種類のJJコネクタの中で、NEXTに一番強かったのは
Panduit製のCC5E88BLでした!
あとから色々調べてみると・・・
NEXTが発生する要因として
1番の原因は 結線時の寄り戻し過ぎとスプリットペアなのですが、
他の例として
雌のカプラー(JJ コネクター) は、大きな漏話の原因となるため、情報配線の敷設には使用しないでください。
とFLUKE社のHP上で記載されていました。
この場合は、規格に沿ったテストケーブルを作成して上で
チャネルアダプターを使用するのが正解な気がします
しかし、PanduitのJJコネクタ よくパスしたなぁ(;^_^A
流石の品質ですね
LEAVE A REPLY